M資金と同種の詐欺ながら、近年では『いわゆるM資金とは別』などと前置いてから、下記のような様々なバージョンの話で詐欺を働いているケースが知られている。
1. “某国の独裁者とその夫人が、密かに日本に持ち込んでいた秘密資金がある。その運用を任せられる相手を探しているそうなので、○○夫人を紹介しよう(→そっくりさん登場)。○○夫人は君に運用を任せてもよいと言っているが、それなりの額の保証金を要求していて…”(1970~80年代に流行)
2. “日本海海戦で撃沈された帝政ロシアの軍艦から引き揚げられ、ソ連との紛糾や課税を逃れるために、鉛のインゴットだと虚偽報道された大量のプラチナ塊がある。だが、引き揚げに成功したものの国税当局に目を付けられているため、思うように換金できない。このプラチナを換金するために協力してほしいのだが、それなりの保証金を積んでくれれば、プラチナの現物を預けるので…”(1980年代に流行)
3. “第二次大戦中に米国が計画していた毛沢東向け秘密援助資金として準備された大量のドル紙幣が、国共内戦の勃発で利用されないままに終わり、米国に依頼された日本政府が運用を行い、数十兆円の規模にまで膨らんでいる。これが本当のM資金で、銀行が融資できないようなハイリスク事業への貸付資金となっているが、融資を受けるには保証金が必要で…”(1990年代中頃に流行)
4. 産業廃棄物から燃焼性ガスが生成できる『新発明』の処分プラント設備がある。プラント設置と廃棄物の供給は無料で行えるのだが、燃焼性ガスをエネルギー源として利用したがっていてプラント設置区画を提供してくれる国や企業を紹介してほしいのだが、それには保証金が必要で…”(1990年代後半に流行)
5. 「M資金と言う名称で呼ばれる資金は実在しません。しかし、同様の資金は実在し、実際に上場企業の代表者に交付され使用されています…。この資金を管理している、あるいは出してもらえると称している人間の99.9%は偽者です。現在民間でこの資金を仲介できる人間は5人に限られています…」といった“いわゆる『M資金』とは別の○○”といったパターンも、典型的なM資金詐欺師の常套句である。
また、規模や金額は小額ながら、近年流行している“架空請求詐欺”や“振り込め詐欺”といったケースで、『弁護士立会い』『裁判所命令』『和解手続き』『還付金』といった、多くの被害者にとって非日常的な用語を多用して、被害者の思考を麻痺させている点に、M資金詐欺の強い影響が窺える。
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